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今も息づく和紙づくり(2) ~ 鮫川和紙(鮫川村)

前回、和紙について簡単に触れました。
今回は、原料から和紙がつくられるまでのお話です。

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<鮫川和紙の斎須さん>

上に干してあるのが和紙の原料となるコウゾ(楮)です。
コウゾは皮が厚く丈夫なだけでなく、桑と同様に切ってもまた生えてくることから、とってもエコなのです。

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<干し束となったコウゾをつかむ斎須さん。ここまで固くなったものはずっと保管が効くそうです>

コウゾは栽培しておらず山に自生しているものを採取してくるのだそうです。
そしていつでも採取できるわけではなく、11月中旬から12月にかけてが採取時期だといいます。
夏場だとコウゾの水分が多く含まれており、腐ってしまうのだそうです。
和紙作りの工程は、季節ごとにできることが異なってくるのですね。

原料とはいえ、和紙になるとは想像しにくいですね。
コウゾはどうやって和紙になっていくのでしょうか?

干したコウゾは、「干し束」と呼ばれかたまっています。
それを1昼夜、水に浸してもどします。

こちらは、水でもどしたコウゾを煮るためのお釜。

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コウゾには、黒皮、甘皮(緑色)、白皮と3種類の皮があります。
煮ると黒皮が落ち、残った甘皮と白皮で鮫川和紙にしていくのだそうです。

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<黒皮と甘皮(緑色の皮)>

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<裏には白皮がついています。本当に真っ白>

ちなみに前回の記事で書いた上川崎和紙は、白皮のみを使うとのこと。
和紙によって製法が異なるんですね。

煮ると真っ黒になるので、1週間水をかけ流して不要物を落としていきます。
それでも取れない塵は、手で取っていくのだそう。
気が遠くなる作業です。

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<近くの沢から水を引いてかけ流していきます>

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<水から取り出しながら、塵があればとりのぞいていきます>

その後は、さらし粉で漂白作業。
漂白には次亜塩素酸ナトリウムを使うそうですが、繊維をボロボロにしてしまうので量に気を付けています、と斎須さん。

漂白したコウゾは繊維が長いので、細かくするために叩解(こうかい、たたく作業)をします。
2時間から3時間ほど叩くといいます。

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ここまで来て、やっと紙漉き槽(かみすきぶね)の出番です。
取材日は漉ける段階にはなかったので、漉いている写真は以前の記事でご勘弁を。

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<紙漉き槽(手前)、この大きさをムラなく漉くには3年以上かかるとのこと>

ただ漉くわけではなく、天然の糊となる黄濁葵(とろろあおい)を混ぜたものを漉いていきます。

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<黄濁葵から出る粘液。水のように見えます>

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最後は圧縮して水を絞り出します。(圧搾:あっさく)
何枚もの和紙を重ねて圧縮するのですが、それぞれの和紙がくっつくことはないのだそうです。
それだけ黄濁葵が、1枚の和紙をしっかりくっつけているのでしょうね。

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<圧搾中。しみだした水分で板が濡れています>

私達は、和紙作りといえばこの紙漉きのイメージしかありませんが、
ここにいたるまでの工程を考えると和紙づくりは大変なんだなとあらためて感じさせられます。

出来上がった和紙がこちらです。
もみじの葉がはいると、おもむき深くなりますね。

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このようにインテリアやはがき、ランプシェードとして使われます。
とても味わい深い作品になるのですね。

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震災から8か月たち、震災の影響著しい福島県内でいろいろな方を取材させていただいていますが、
地域が復興していくためには一人ひとりの活力が大事なんだなとあらためて感じずにはいられません。

なお、斎須さんの作られた和紙製品は、鮫川村の手・まめ・館手・まめ・館カフェでも販売されています。
鮫川にお越しの際は、ぜひお買い求めになってはいかがでしょうか?

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<鮫川和紙の精神はしっかりと受け継がれています>

参考:鮫川和紙公式サイト

文責:よ (ラクラスしらかわ http://rakuras.com/)

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