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時代に媚びぬ孤高の文豪・中山義秀 ~ 中山義秀記念文学館(白河市大信)

白河市を代表する作家の一人に、中山義秀(なかやま ぎしゅう)がいます。
おもに歴史小説を著し、第7回芥川賞を受賞した作家です。
1969(昭和44)年没。享年69歳でした。
ちなみに今年のNHK大河ドラマ「天地人」原作者・火坂雅志氏は、彼の名を冠する「中山義秀文学賞」受賞者です。

彼の功績をたたえ造られたのが、白河市大信地区にある「中山義秀記念文学館」です。
今回は、中山義秀記念文学館さんをたずねました。

中山義秀記念文学館さんには、市民の憩いの場である図書室と並んで、義秀展示館が併設されています。
ここで義秀さんの歴史を深く知ることができます。
皆さんに訪れていただきたいので、義秀展示館の様子は尋ねてみてのお楽しみです。

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実は、中山義秀記念文学館さんでは「中山義秀文学賞公開選考会」を開き、毎年1名の受賞者を選考します。
中山義秀文学賞公開選考会については、次回くわしくお伝えします。

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さて、今回は中山義秀についてどんな人物だったのかを説明します。

この義秀さん、一言で言えば「波乱万丈」の一言に尽きます。

自伝では「稀代の腕白児だったにもかかはらず、内心は臆病で脆い、感傷性の少年にできあがった」と述べています。
山野を駆け巡りながらも、小説や歴史書を手当たり次第に借りて読んだ幼少期を過ごしました。

しかしその感傷性から、思春期は激しい感情の起伏に悩んでいたとも言われています。
中学校(現・安積高等学校)時代は、特に激しかったようです。
家族から離れた寄宿舎生活を送り、教育を押し付けられることへ反発し、しまいには酒・タバコをのみ茶屋遊び(遊郭での女遊び)をした退学スレスレの放蕩生活を送っていたといいます。

義秀が文学に目覚めたのは、早稲田大学入学後に会った横光利一の影響が大きいと言います。
「横光は文学にたいして、私を開眼させてくれたばかりでなく、野生の小猿を訓練してくれた、無類の調教師でもあった。」
「私の履歴書」で義秀自身、こう遺しています。

大学卒業間近の大正11年、妻トシと結婚し以降5人の子をもうけますが、3人を病を亡くしてしまいます。

大学卒業後、教職稼業のかたわら文芸誌に投稿するなど文学活動をしていました。
時は昭和8年、足掛け9年間の教職の後、武者小路実篤が「新潮」の文芸時評欄でとりあげたことを機に、文学の道に進みます。

しかし順風満帆ではなく、昭和10年に妻と父を亡くします。
それにより義秀は強酒乱酔の癖が出るものの、それに勝る文学への野心でついに文壇へ登場します。

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昭和13年、「厚物咲(あつものざき)」で芥川賞受賞。
昭和14年、芥川賞受賞第一作として「碑(いしぶみ)」を発表。これにより義秀文学を確固たるものにします。

大戦後の昭和22年以降になると歴史小説の、それも歴史上不遇をかこった人物を好んで書いたといいます。
義秀の人間観、つまり「成功した人間の生涯は、人間の姿の表層にしか過ぎない。生きている人間の一人ひとりが人生の主人公なのである」が、歴史小説への傾斜に至らせたのだろうと想像できます。

この歴史小説が、こんにちの「中山義秀文学賞公開選考会」につながるのですが、これについては次回にいたします。

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お問い合わせ

中山義秀記念文学館
〒969-0309 福島県白河市大信町屋字沢田25番地
TEL:0248-46-3614
FAX:0248-46-3702
URL:中山義秀記念文学館
MAIL:n-bungakukan@city.shirakawa.fukushima.jp

入館料:
 大人 200円(団体20名以上の場合 150円)
 小人 100円(団体20名以上の場合 50円)
利用案内:
 開館時間
  10:00~18:00(平日)
  10:00~17:00(土曜、日曜、祝日)
 休館日
  毎週月曜日(月曜が祝日の場合は火曜日)
  祝日の翌日(祝日が金曜日の場合は前日)
  年末年始(12月29日~1月3日)

文責:よ (ラクラスしらかわ http://rakuras.com/

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